【こころとおかねを育むコラム】 どうなる?公的年金

2025.02.15

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの西島です。

 

2024年に5年に一度の年金制度の財政検証が行われました。

 

我々の年金制度は100年先まで続かせることを目的として定期的に検証と対策が行われています。

 

本日はその最新の情報をもとに我々の年金について考えてみたいと思います。

 

☑年金は「感謝のバトン」

「年金なんて支払ってももらえないんじゃないの?払った分返ってこないよね?」

 

このような意見を耳にすることがあります。

 

確かに少子高齢化になり一昔前までは7人の若者が1人の老人を支えていたが、今では2.5人の若者で1人の老人を支えているので、未来に対する不安や世代間格差による憤りを感じるのはよくわかります。

 

ただ、そもそもですが年金制度は世代間扶助という仕組みで成り立っていて、現役世代が支払った保険料は自分たちのために貯めているのではなく、今の老人に渡すための制度です。

 

払ったぶんが返ってくるかどうかという損得勘定ではないのです。

 

戦後の何も無くなってしまった焼け野原から豊かな日本を作ってくれた土壌の上で、「仕事をしたり」「生活をさせてもらっている」ことへの感謝を込めて保険料を今の老人に仕送りしています。

 

と、いうことは一生懸命働き、更に豊かな日本を作り上げ、子供たちの代に渡していけば、私達が老人になったときに今度は子供たちが感謝を込めて支えてくれるのです。

 

まずはこれが大前提として知っておかなければいけない仕組みです。

 

とはいっても、保険料を支払う現役世代が減っていて、年金を貰う高齢者が増えているので、渡せる年金には限界があります。

 

なので現在は物価上昇したタイミングで年金を同じ比率で増やすことはせず、実質価値で年金を減額していっています。

 

☑年金制度は良くなっている?

ところが今回の財政検証では、そこまで最悪を想定しなくても、もう少しこのペースでの実質価値での年金減額を続けていけば、100年続く年金制度を実現できるのです。

 

つまり思った以上に年金制度は悪い状況ではなかったのです。

 

その理由は働いて保険料を納める人の数が思いのほか増えてきているからです。

 

具体的には・・・・

①高齢になっても働き続ける人が増えた

②配偶者が働きに出るようになった

この2つが大きな要因です。

 

政府はより配偶者に働いてもらえるように、本来は130万円以上働いたら夫の社会保険から外れて自ら社会保険を納めなければいけないルールを、一定の要件をクリアした企業に関しては、106万円以上働いたら自らの社会保険に加入してくださいねというルールに変更しました。

 

税制面においても、今までは配偶者が103万円以内で働いていたら配偶者控除という税制優遇を夫が使えたのですが、この優遇を150万円までは働いても同じように使えるように拡充しました。

 

☑年収いくら位で働くのがお得なの?

昨今は、最低賃金の引き上げから、同じぐらい働いてもこれらの優遇枠を超えてしまうので早急な見直しが検討されています。

 

これらは「○○の壁」と言われていて、この壁を超えて働いてしまったら実質は手取りが少なくなって損するのではと言われています。

 

筆者の考えは、これからも最低賃金は上がり続けるだろうし、政府は働ける人にはより多く働いてほしいので、そういった政策を発動し続けると思います。

 

働ける会社と身体があるのであれば、細かく損得を考えるよりも、なるべく多く働くことで、しっかりと社会保険料を納め、老後の年金を増やしたり、万が一の傷病手当を増やすほうが長い目で見たらメリットが大きいと考えています。

 

そもそもですが、社会保障制度は余裕のある人が経済的弱者を助け合いましょうという考えのもとに成り立っている制度です。

 

余裕のある人が、損得を気にし、わざわざ自分を経済的弱者の仲間入りにしようとするのは違うのではないでしょうか。

 

☑年金の改善点

そのほかにも今後年金の改善が予想される大きな点を3つ挙げておきます。

 

①国民年金の支払い期間の5年延長

現在の20~60歳まで40年間支払いを20~65歳までの45年間支払いに延長する案です。

 

そもそも年金を貰うのは65歳からですから、これは65歳まで支払わないほうが気持ち悪いので改善したほうがより自然でわかりやすい制度になると思います。

 

②在職老齢年金の見直し

現在は65歳以上の方がしっかりと給料をもらって働いていると年金をカットされます。

 

それなら「働き方を制限しようかな・・・」という労働意欲を奪うような制度なので見直しが検討されています。

 

③標準報酬月額の見直し

現在の年金保険料は給料に応じて比例して増えていきますが、月65万円が上限で、それ以上はいくら稼いでも社会保険料は同額なので、年金は積みあがりません。

 

平均給料がどんどんと上昇していくことが想定される今後を考えたら、この65万円という上限も見直す必要があります。

 

【まとめ】

我々の年金制度はこのようにして5年に一回様々な角度から検証と改善が行われ、100年安心した制度を維持しています。

 

アメリカが真似をしようとしても断念したぐらい日本の年金制度は世界に誇れる素晴らしい制度です。

 

我々は年金制度においてもこんなにも「守られ」「与えられている」のです。

 

今月は以上になります。